当記事ではジャーナリングをすることで得られる効果について、特に筆者が「効果があった」と感じた部分をピックアップしてご紹介していきます。
ジャーナリングとは、頭に浮かんだ考えや感情をそのまま紙に書き綴ることです。
ストレス発散や思考整理など、様々な効果が研究で報告されています。
また、Googleの社内プログラム(研修)である「Search Inside Yourself」では、自分の無意識下にある考えや感情を言語化し、自己認識(自己理解)を深める手法としてジャーナリングが導入されています。
「ジャーナリングをするといいって聞くけど、実際どんなメリットがあるの?」という方に向けて、当記事では筆者が特に実感した
心身の健康状態にポジティブな効果(特にストレス発散)
思考の整理を助ける
言語化と客観視で自己分析が深まる
本を読む際の読解力が上がる
…という4つの効果について、実体験を交えてご紹介いたします。
【免責事項】
当記事は、筆者の経験および参考にさせていただいた書籍(記事末尾に掲載)の情報をもとに作成しております。
医学的、心理学的な効果をお約束するものではございません。
心身に不調を感じている方は、医療機関等の専門家にご相談ください。
掲載内容を実践したことによる不利益やトラブル等については一切の責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
心身の健康状態にポジティブな効果
ジャーナリングは継続して行うことにより、精神的・身体的に健康状態が回復・向上するということが数々の研究で明らかになっています。
ジャーナリングをすることで得られる健康効果(一部)
- ストレス解消
- うつ症状の改善
- 睡眠の質の改善
- 免疫力の改善、向上
- 血圧の低下 など
1980年代に、アメリカの社会心理学者ジェームズ・ペネベーカーが、PTSDの治療のために公案した「エクスプレッシブ・ライティング(筆記表現法)」という方法があります。別名「筆記開示」とも呼ばれます。考えていることを書いて言語化する治療方法です。
樺沢紫苑(2022)『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』幻冬舎,pp.273-274
筆記表現法は、ポジティブ心理学の分野で多くの実験が行われており、「自己洞察力が高まる」「健康効果(免疫力アップ、病院の通院数の減少)」「睡眠改善効果」「うつ症状の改善」「幸福度のアップ」など、様々な効果が報告されています。
筆者のストレス発散に至るジャーナリング
誰かに愚痴を聞いてもらう感覚に近い
筆者の場合、ストレスを感じる出来事に遭遇して、その後モヤモヤしたり、イライラしたりする状態が続いて、やるべきことに集中できないと感じるときにジャーナリングをすることがあります。
誤字も文法も気にせずにモヤモヤ、イライラを紙にぶつけるように書いています。
気が済むまで書いた後は、誰かに愚痴を聞いてもらった後のような、ちょっとすっきりした感覚があります。
むしろ誰にも読まれない、誰にも聞かれないのを良いことに書きたい放題(言いたい放題)で書いてるので、筆者個人としては誰かに愚痴を聞いてもらうよりもジャーナリングをする方が好きかもしれません。
>「ストレス発散に至るジャーナリング」についての詳細な記事はこちら
思考の整理を助ける
ワーキングメモリに空きをつくる
人間の脳には「ワーキングメモリ」と呼ばれる情報を処理するための作業領域があります。
このワーキングメモリで同時に処理できる情報は3つまでと言われています。
複雑なことを考えようとする際、処理する情報が多すぎるとワーキングメモリはすぐに満杯になります。
それ以上の情報はワーキングメモリに入らず処理できないので、一部の情報だけで思考が堂々巡りをしてしまい、なかなか情報処理が進まない状態に陥ります。
そこで、自分の考えや感情をノートに書き留めることで、ワーキングメモリに空きをつくることができます。
空いたワーキングメモリで物事を考える余裕ができるので、頭の中だけで考えるよりさらに深く思考できるようになります。

「パソコンのメモリー」に例えられる
ワーキングメモリは、よくパソコンのメモリーに例えられることがあります。
メモリーは処理するデータを一時的に置いておく作業台のようなもので、メモリーにデータが大量に置いてある(アプリやブラウザを開きっぱなしにしている)とその分動作が重くなりますが、整理してメモリー上のデータをかたづけると、メモリーに余裕ができて動作が軽くなります。
それと同じで、ワーキングメモリを占拠している情報を紙に逃がすことでワーキングメモリに空きをつくり、より深く多くのことを考えることができるようになります。
例:情報量が多く複雑な問題に直面したとき
仕事やプライベートで、情報量が多く複雑な問題に直面したときは「△△が問題だ、困っている」ということはわかっていても、その時点でワーキングメモリが満杯で、「じゃあどうすればいいのか」というところまで思考が及ばず、頭の中で考えるだけでは解決しない状態になることが多々あります。
そんな時、筆者の場合は「○○について」など適当にタイトルをつけて、頭の中で浮かんでいる思考を箇条書きだったり、図式のような形ですべて書き出していきます。
【例】プロジェクトの経理的な問題を解決するうえで考えるべきこと
- 総予算の上限
- 原価率の目標値
- 問題を解決させる期限
- 現時点でプロジェクトのどの部分に、いくら予算を割いているのか
- どの部分の費用を抑えて、その分どこに回せるのか
- 連携が必要な他部署や外部業者はどのくらいあるのか
頭の中で飛び交っている言葉をすべて紙の上に仮置きするイメージです。
ワーキングメモリを占拠していた言葉を紙の上に追い出して、ワーキングメモリに空きをつくり、情報を整理したり、より深く物事を考えられるようにする作業ともいえます。
紙に書き出すことで情報を整理するだけではなく、情報の客観視(後述)ができるようになることも相まって問題解決への糸口を見つけやすくなります。
>「問題解決に至るジャーナリング」についての詳細な記事はこちら
>「ジャーナリングで計画を立てる」についての詳細な記事はこちら
言語化と客観視が新しい発見につながる
紙に書いた(言語化した)思考を眺める(客観視する)
ジャーナリングでは、頭の中に浮かんでいる考えや感情を紙の上に書き出していきます。
紙の上に書き出された考えや感情は、誰でも読むことができる、つまり「言語化」され紙の上にアウトプットされた状態になります。

アウトプットされた考えや感情は、紙に書かれた文字として読むことができます。
紙に書かれた考えや感情を読む=考えや感情を客観的に視ることができるので、より冷静に自分の考えや感情を分析できたり、頭の中で考えるだけでは気づけなかった新たな発見をすることができます。
新たな発見の中でも「こういうことが好き / 苦手なんだ」「自分はこんな価値観を持っているんだ」という、自己分析につながる発見をすることで、自分のことをより詳しく理解できるようにもなります。

様々なトピックが自己分析につながる
自己分析をするために用意されたトピックもいいですが、普段の生活で思ったことや、直面した出来事について、ジャーナリングで思うことを書きだすだけでも自己分析になることがあります。
【例】筆者が実際に「自己分析につながる」と感じたトピック
- 楽しかった、嬉しかったなど、ポジティブな出来事について
- 悲しかった、イライラしたなど、ネガティブな出来事について
- 「いいな」と思った物事について
- 「困った」と感じた物事について
- 今の生活環境の好きなところと、そうでないところ
- 読んだ本、視聴した映画やアニメなどの感想
- 今の仕事を続けるべきか否か
>「自己分析に至るジャーナリング」についての詳細な記事はこちら
日記を書くだけで浮かび上がる「自分の価値観」
「自己分析しよう」と意気込まなくても、ただの日記としてジャーナリングする際に自分の価値観や考え方が浮かび上がってくることがあります。
「旅行に行った」など特別な出来事でもいいですし、日常の些細な出来事でも構いません。
例えば、「今日の楽しかった出来事」について書いているとき、「○○の部分が面白いと思った」「△△が□□に似てるなと思った」など、出来事の感想を書いていきます。
さらに可能であれば「なぜそう思ったのか、感じたのか」という理由まで深堀りしてみます。
書き出す内容は「今日の楽しかった出来事」に対する感想であり、それらは自分の価値観というフィルターを通して出力されている言葉です。
書きながらその言葉たちを視界に捉えることで「私はこういうものに魅力を感じるタイプなんだ」「実はこういうところに興味があるのかも」という自分の価値観や考え方に気づくことが多々あります。
何気ない日常の出来事であっても、ジャーナリングすることで自分のことをより深く知ることができるため、手軽に自己分析できるトピックだと筆者は考えています。
本を読む際の理解力が上がる?
※「ジャーナリングによる読解力の向上」に関するソースは確認できていないため、あくまで筆者の所感・考察となります。
あくまで筆者の所感なのですが、ジャーナリングを習慣にしてから、本の読解力が上がったと感じています。
そう感じたのは、数年前に読んだ小説を最近になってまた最初から読んでみたときでした。
内容はほぼ覚えておらず、「なんかよくわからんけど、なんとなく面白かった」という感想だったことだけは覚えている小説だったんですが、改めて読んでみるとめちゃくちゃ面白かったんです。
「なんかよくわからんけど面白い」だった小説が、内容をしっかり読み取れるようになったため、「今まで読んだ中で一二を争うほど面白い小説」に評価が変わった瞬間でした。
ジャーナリングで思考を整理する力が養われ、本を読む際も内容を整理しながら読み進めることが得意になったのかもしれません。
また、エクスプレッシブ・ライティング(筆記表現法)の効果として自己洞察力の向上が報告されており、この「洞察力の向上」というのが本の内容を理解する力にもなっているのかな、と考えています。
まとめ
当記事ではジャーナリングをすることで得られる効果について、特に筆者が「効果があった」と感じた部分をピックアップしてご紹介いたしました。
- ストレスを感じていることに対する不満やネガティブな感情を書き出すことは、誰かに愚痴を聞いてもらう感覚に近く、ストレス発散になる。
- ジャーナリングでワーキングメモリに空きをつくり、より深く思考できるようになる。
- 言語化と客観視の効果で、何気ない日常の出来事も自己分析につながるトピックになる。
- ジャーナリングで思考を整理する力が養われ、本の読解力が上がった(気がする)。
ジャーナリングは日常生活でも仕事でも、様々な場面で私たちを助けてくれるノート術です。
みなさまも始めてみてはいかがでしょうか?
「これから始めてみようかな」という方々に向けたジャーナリングのやり方やポイントをご紹介した記事がございますので、併せてご覧いただけますと幸いです。
>ジャーナリングのやり方やポイントについて解説した記事はこちら
参考文献など
パソコンのメモリーとは?ストレージとの違いやおすすめ容量をわかりやすく解説!|パナソニック公式通販サイト – Panasonic Store Plus
https://ec-plus.panasonic.jp/store/page/pc/sp/organic/202201/
(最終閲覧日:2026/10/30)
樺沢紫苑(2022)『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』幻冬舎
チャディー・メン・タン(2016)『サーチ・インサイド・ユアセルフ 仕事と人生を飛躍させるグーグルのマインドフルネス実践法』英治出版株式会社
古川武士(2022)『書く瞑想』ダイヤモンド社
安田修(2022)『自分を変えるノート術』明日香出版社
吉田典生(2017)『「手で書くこと」が知性を引き出す 心を整え、思考を解き放つ新習慣「ジャーナリング」入門』株式会社文響社
